HE.netにアカウントを作成しIPv6/48のアドレス帯を取得してみる。
目次
概要
まず、IPv6を自宅ネットワークに導入しようと思ったのは某サイトで、あるサイトに登録することによってIPv6/48のグローバルアドレス帯がただでもらえるというネットの記事を見つけたからである。
もともとIPv4のグローバルIPアドレスは1つもっていたが、自宅で複数のサービスを公開したい場合、ルータのNAPT機能で強制的に1つのIPアドレスしか割り当てられず、同じサービスを持つサーバを2つ立てて公開することができなかった(例えば権威DNSサーバはマスター/スレーブの最低2つのサーバを建てることになるのだが、グローバルIPアドレスが1つしかないので、ポート番号でアドレス変換できるのは1つになってしまう)
IPv6/48のグローバルアドレス帯をもらえればこの問題は一気に解決しNAPTを使わずとも外部にサーバを公開することが可能。(ただしIPv6に対してのみ)
因みに、IPv6/48のアドレス帯をもらうと65,535個のネットワークと、1つのネットワークに対し約18,446,744,073,709,551,612の個ホストアドレスを割り当てることが可能であり、またすべてグローバルアドレスであるため外部にも公開することができる。その為にはHE.netと呼ばれるサイトにアカウントを作成する必要がある。
HE.netとは「ハリケーン エレクトリック」が運営するサイトであり、この「ハリケーン エレクトリック」は世界最大のIPv6ネイディブのインターネットバックボーンを運営する会社である。
HE.netでアカウントを作成
1.早速アカウントを作っていく。以下のurlへアクセスし住んでる国、住所、氏名を登録する。
必要項目をすべて入力したあと、下の「 I have read and agreed to the Terms of Service」のチェックを入れ、一番下の「Register」をクリック。
https://ipv6.he.net/certification/register.php
2.登録したメールアドレスに以下のようなメールが届くので「verify」のurlをクリックし、有効なメールアドレスであることを証明する。
3.入力したアカウント情報でログインし直し、ちゃんとログインができればOK。
トンネルを作成、IPv6/48を取得
今回は既存のIPv4網からトンネルを経由しHE.netのIPv6網へ接続を行う為、トンネルを作成していく。
1.左のほうにある「Create Regular Tunnel」をクリック
2.「IPv4 Endpoint(Your side)」の項目に自分の持っているグルーバルIPアドレスを入力。(固定IPアドレスである必要がある)
入力したあとに「IP is a potential tunnel endpoint」の緑の項目がでればOK。
3.次にトンネルの接続先を指定。日本接続ユーザであれば「Tokyo, JP」を選択。その後「Create Tunnel」をクリック。
4.トンネルが作成され、そのトンネルの情報が表示される。このときすでに/64のアドレスが割り当てられるが、これはトンネル接続用のIPv6アドレス帯であり、ネットワークを分割することができない。
したのほうにある「Assign /48」をクリックすることによって/48のアドレス帯を取得することができる
5.上のほうにある「Example Configurations」のタブをクリックし、下の「Select Your OS」で自分の使ってるのネットワーク機器のOSを指定すると、したのテキストボックスに投入するコンフィグが自動的に生成される。
(Ciscoルータであれば「Cisco IOS」を選択)
Cisco機器に設定を導入&確認
1.以下のように作成されたコンフィグを、グローバルコンフィグレーションモードで流していく。
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■トンネル作成(トンネルモードはipv6ip) interface Tunnel0 description Hurricane Electric IPv6 Tunnel Broker no ip address ipv6 enable ipv6 address </64で割り当てられたIPv6アドレス> tunnel source <自分の持つIPv4グローバルアドレス> tunnel destination <トンネルの出口のIPv4アドレス> tunnel mode ipv6ip exit ! ! ■デフォルトルートを設定 ipv6 route ::/0 Tunnel0 |
2.「show int tun0」でインターフェースが「Tunnel0 is up, line protocol is up」になっている事を確認する。
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Router#show interface tun0 Tunnel0 is up, line protocol is up Hardware is Tunnel Description: Hurricane Electric IPv6 Tunnel Broker MTU 17920 bytes, BW 100 Kbit/sec, DLY 50000 usec, reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255 Encapsulation TUNNEL, loopback not set Keepalive not set Tunnel linestate evaluation up Tunnel source XXX.XXX.XXX.XXX, destination YYY.YYY.YYY.YYY Tunnel protocol/transport IPv6/IP .... |
3.あとは対向のIPv6アドレスにpingを打って帰ってくればトンネルの設定は完了。これでサーバにhe.netから割り当てたアドレスを設定したりすれば外からアクセスできるようになる。
自鯖を早くIPv6に対応させねば。。。