SNMP Trapをzabbix上に表示するようにしてみた2回目
目次
前回までやったところ
※この記事は「Cisco機器のSNMP TrapをZABBIXで取得できるようにしてみる1」の続きの記事となっているため、初めて見る方はまず下記リンクを参照してほしい。
Cisco機器のSNMP TrapをZABBIXで取得できるようにしてみる1」
https://zeus.shadow-net.jp/?p=870
前回の記事では「snmptrapd」「snmptt」の導入を行い、zabbixが参照するログファイルにSNMP Trapのログを残すところまでを行った。今回の記事では実際にSNMP Trapのアイテムとトリガーを作成し、zabbixのトリガー画面に表示させるところまでを行う。
そもそもMIBやOIDとは
MIBは”Management Information Base”の略称で、日本語の名称は「管理情報ベース」と呼ばれる。SNMP機能の付いた機器が持っているステータス確認や管理をを行うデータベースで、そのデータ1つ1つに割り当てられている固有のIDをOID(Object ID)と呼ぶ。MIBにはRFCで規定された「標準MIB」と、Ciscoなどの機器ベンダーが独自に持つ固有のMIBを「プライベートMIB」と呼び、今回Cisco機器のSNMP Trapを監視する為に使うMIBは「プライベートMIB」を使用する。
因みに今回受信できるようになったSNMP Trapは以下の通り
coldStart .1.3.6.1.2.1.11.0.0 | 完全にシャットダウンされた状態からIOSが起動すると発生するトラップ。 |
linkDown .1.3.6.1.2.1.11.0.2 | interfaceのlinkがdownしたら発生するトラップ。 |
linkUp .1.3.6.1.2.1.11.0.3 | interfaceのlinkがupしたら発生するトラップ。 |
authenticationFailure .1.3.6.1.2.1.11.0.4 | SNMP認証が失敗したときに発生するトラップ。主にコミュニティストリングの不一致などが原因。 |
egpNeighborLoss .1.3.6.1.2.1.11.0.5 | 対向EGP機器とのNeighbor関係が解消されたときに発生するトラップ。 |
reload .1.3.6.1.4.1.9.0.0 | reloadコマンドなどによって機器が再起動されたときに発生するトラップ。 |
tcpConnectionClose .1.3.6.1.4.1.9.0.1 | ?よくわからない… descriptionによると、おそらくtty接続しているときにTCPセッションがクローズされると送信されるトラップ |
clogMessageGenerated .1.3.6.1.4.1.9.9.41.2.0.1 | エラーログを送るSNMP Trap。「logging history level」コマンドで送信されるメッセージレベルを指定できる。 |
zabbix側の設定
1.「Configuration」タブから「Templates」を選択。
2.右上のほうにある「Create template」を選択し新しいテンプレートを作成する。
3.テンプレートに名前を付ける。その後に任意のグループを追加し、下の「add」を選択してテンプレートを追加する。
4.新しくできたテンプレートの「Items」を選択。
5.右上にある「Create item」を選択。
6.実際にアイテムを登録する。以下の項目を埋める。(ここではcoldStartのitemを追加する) 必要項目を埋めたら一番したの「add」を選択し保存。
Name : ColdStart
Type : SNMP trap
Key : snmptrap[.1.3.6.1.2.1.11.0.0]
Type of information : Log
7.次にトリガーを追加する。上にある「Triggers」を選択
8.右上にある「Create trigger」を選択。
9.以下の項目を埋める。
Name : Detect restart
Expression : {Cisco SNMP Trap:snmptrap[.1.3.6.1.2.1.11.0.0].regexp(.*)}=1
Severity : High
このような感じで他のアイテムも登録していく。
10.実際にテンプレートを監視ノードへ適用していく。「Configuration」タブから「Hosts」を選択する。
11.テンプレートを適用したい機器のホスト名をクリックする。
12.「Templates」をクリック。
13.「Link new templates」の欄に項番3で作成したテンプレート名を入力する。そうするとテンプレートの広報が欄の下に出てくるので選択して下の「add」をクリック。「Linked templates」の項目に作成したテンプレートが入っていれば一番したの「Update」をクリックし保存する。これでzabbix側でSNMP Trapを拾ってトリガーの画面に表示させる設定は完了した。
確認
実際にテンプレートを適用し、監視が有効になっているCisco機器で「reload」コマンドを打ち込んで再起動をさせてみる。トリガー画面にちゃんと表示されていればOK。
以上でzabbixでCisco機器のSNMP Trapを取得する方法は終わり。次はESXiのSNMP Trapのアイテムとか作ろうかな…